はじめに

私は釣りを始める前から魚の飼育をしていました。
もともと生き物が大好きで犬やモルモット・イグアナ・カエルなど色々飼っていましたが、中でも魚が大好きで、沢山飼っていました。
中でも自分で採集してきた生き物は捕まえるまでのプロセスも含め思い入れがあるために、ペットショップで購入したものより愛着が湧きます。
実は魚を捕まえるツールとして始めたのが釣りでした。
しかし釣りで捕まえた魚は家に持ち帰るまでの運搬が大変だったり、釣りから始めた人は「魚を飼うには何が必要か、どのようにすればいいのか」分からない事が沢山あり懸念されてきていました。
そこでロックフィッシュ大全では隔週になりますが、釣った魚を飼育したい!という人に向けた「海水魚の持ち帰り方から飼育までのノウハウ」をステップ毎に分けてご紹介します!
私のように「釣った魚は持ち帰って飼育する!」という人はまだまだ少ないので、これを機に魚を飼育する魅力やノウハウを配信し、少しでも魚を飼育する人が増えてくれると嬉しいです。
今回この記事では飼育の第1歩目!「釣った魚の持ち帰り方」についてご紹介します!
STEP1: 釣りが終わるまで魚を元気に生かしておくコツ
まず初めに釣りが終わるまで魚を元気に生かしておく方法をご紹介します。
飼育したい魚が釣れたらすぐ帰る!という人なら気にしなくていいのですが、せっかく片道1時間半かけて来たから、もう少し釣りしてから帰りたい。。。でも釣った魚死なないかなあ。。という人のために、釣った魚を死なせないテクニックをご紹介します。
釣った魚は極力触らず針を外す!
魚の体表には粘膜が張っており、人の手で触ると粘膜が剥がれてしまいます。
粘膜が剥がれた所を人が触ると人肌の体温が高すぎて魚が火傷してしまい弱ってしまいます。
ソイのように体表が頑丈な魚は触られても多少耐えられるのですが、アイナメやドンコのような粘膜が強い魚は素手で触られると、すぐに弱ってしまいます。
家に持ち帰っても人が触った部分が後から腫れてきて、弱ってきて死んでしまう事も多々あります。
そのため、極力魚を素手で触らないように針を外しましょう。
素手で触らないで魚を外す方法としては、ゴム手袋をはめたり、針外しなどを使用して素早く針を外してあげることです。
(※写真は針を外す時のイメージ写真です。このような感じで魚から針を外すと良いという一例になります)


- 素手で魚を触らない
- 針外しやゴム手袋を使いすぐに針を外す
- 針は優しく外す
帰るまで魚を入れておく場所

釣った魚はよく海水の張ったバケツなどに入れて生かしている風景を目撃しますが、私はあまりお勧めできません。
魚は釣られるとショックで粘膜を分泌したり、糞や尿などを多量に出します。
そのため時間が経てばすぐにバケツの中が汚れてしまいます。
また水温も時間が経つにつれドンドンあがり魚も弱ってきます。
そのため定期的に水を変えてあげなければいけません。
それでは釣りに集中できませんし、バケツに入っている魚も毎回水を変えられてストレスになります。
それでは何で保管しておけばいいか、、、
私の中で一番良い方法は「すかり」にいれておくことだと思います。

すかりに入れておけば、水を変える必要が無く、エアレーションをする必要がありませんので、極力潮通しの良いエリアに設置しておけば、釣りが終わるまでは死ぬ事はほとんどありません。
あとは脱走されないように注意すれば極力魚を弱らせず、釣りが終わるまでキープする事ができます。
一方でスカリにも注意点があります。
スカリのサイズにもよりますが、多くの魚を入れると魚同士の擦れで傷がついて弱ってしまったり、また潮や波が直撃するエリアでは逆に魚が弱ってしまう事もあります。
ですので、持ち帰りたい魚以外はキープせずに逃がす方が、持ち帰りたい魚にもストレスを最小限に抑えることもでき、また傷などもつかずにすむと思います。
またスカリをかける場所も浅いエリアだと干潮などで潮が引いて、水位が下がったり、また干上がる可能性もあるため、浅いエリアには極力仕掛けないほうがいいでしょう。
また引き上げるときに壁にへばり付いてるフジツボやカメノテや牡蠣ガラなどにひっかかると破れてしまうこともあるので、取り扱いにも注意してください。
[su_note radius=”0″]【釣った魚の保管方法】
- すかりが適している
- 短時間ならバケツでも可
- スカリの設置場所は潮通しの良いところに
魚種による耐性
ここでは釣れる魚の大まかな種類ごとの特徴をご紹介いたします。
ロックフィッシュ

ロックフィッシュは大まかにわけて①アイナメ類(アイナメ・クジメ)②ソイ類(ソイ・カサゴ)③メバル類(メバル・ガヤ)④ハタ類(キジハタ・オオモンハタなど)になります。
基本的に②ソイ類と③ハタ類はかなり環境適応能力や耐性が強い種類になります。
水温変化や酸欠にも強い個体が多いため飼育にむいた魚種といえます。
一方①アイナメ類②メバル類はソイ・ハタ類に比べ少し適応能力が低いです。特にアイナメ類は酸欠・メバル類は急激な水温変化に弱いです。
また塩分濃度変化にも少し弱い一面もありますので、釣れた後は極力環境変化があまり起きないようなところでキープする事をお勧めします。
回遊魚

回遊魚の飼育はほとんどの魚種が一般家庭では飼育ができません。理由として回遊魚は回遊魚(ここでは主に青物を指します)は常に泳ぎ回っていないといけないため、遊泳スペースを広く確保する必要があります。サワラやイナダなどの大型の青物では最低400cm以上の水槽などが必要になるため、ほぼ水族館クラスの施設がないといけないと飼育できないため厳しいです。またアジのような小さい回遊魚でも90cm以上の水槽が必要になります。
また回遊魚は酸欠と水温上昇にも非常に弱いため、バケツやスカリでケープするときも一定の酸素供給や水温変化を維持する必要があるため、活かしておくのもかなり苦労するため、以上を総括すると青物の飼育はとても難しいといえます。
フラットフィッシュ

フラットフィッシュは水温変化には耐性がありますが、塩分濃度変化や酸欠に少し弱い一面があります。
またフラットフィッシュは大型になる固体も多いため、糞や尿なども多く出すので、水の汚れなども早いです。
尿などは目視ではわからないので、知らず知らず水質が悪化している事に気づかず魚を弱らせてしまう事もあるので、
頻繁に海水を交換したり、スカリなどに入れて水質をキープしておく必要があります。
魚を持ち帰る(長距離編)
次に魚を家に持ち帰る時の方法をご紹介します!
魚を持ち帰る方法は色々あります。
ここでは持ち帰るときに生存率が高い方法をご紹介します。
①バケツ+エアレーション

上州屋やホームセンターなどで売っているバケツ+エアレーション付きのものを使用して持ち帰る方法です。
この方法で持ち帰るのに適した物は、数少なく魚を持ち帰る場合(1~2匹)、持ち帰る時間が1時間以内の場合です。
この運搬方法は生存率がかなり高いものです。
欠点としては売られているバケツの大きさが小さいものが多いので大きい魚が持ち帰りにくい事と、暑い所に置いておくとすぐに水温が上がるので、夏には適していないという事になります。
[su_note radius=”0″]【バケツ+エアレーション運搬方法】- 数少ない魚の持ち帰りに適している
- 運搬時間が短い場合
- 夏場は水温が上がりやすいので適さない
②パッキング

よくペットショップなどで観賞魚を買うとビニールに入れて空気を入れてパッキングされます。
材料を揃えれば個人でも行う事ができます。
この運搬方法のメリットはビニールの大きさを調整できるので、魚のサイズを問わない、また長期運搬に適している(10時間ほど)です。
デメリットは材料袋(厚でのビニール)と酸素ボンベ(小さいもので可)を購入しないといけない事です。
またパッキングは少しコツがいるので、現地でいきなりやるより、事前に練習が必要したほうがいいと思います。
以下にパッキングの動画を貼っておきますので、パッキングをしたい方はご参照ください。
[su_note radius=”0″]【パッキング運搬方法】- 魚のサイズを選ばない(袋の大きさ次第)
- 長距離運搬にも適している(10時間以内)
- 前準備が必要
チバ流持ち帰り方
私の持ち帰り方をご紹介します。
私の持ち帰り方は基本的にパッキングになるのですが、厚口ビニールをゴミ袋を使用し、酸素ボンベは高価で買うのが面倒なので、
以下のようなものを買っています。

「酸素を出す石」これはホームセンターのペットコーナーやペットショップなどに売っています。釣具屋にも似たような酸素を出す石みたいなのも売っているので、それでも代用が効きます。
ゴミ袋に海水と持ち帰る魚を入れて、酸素の石を1,2個入れて口を閉めて持ち帰っています。
私は岩手で釣りをした場合は帰郷に2時間くらいかかりますが、この方法で持ち帰って生存率が高いです。
(※こちらの商品は海水で使用できない商品もございますので、購入前にパッケージに「海水・淡水両用可(海水も可)」と書かれているか確認してから購入して下さい。
自分にあった持ち帰り方法を選んでください!
[su_note radius=”0″]【チバ流運搬方法】- めんどくさがりな人向け
- 丈夫な魚なら死なない
- 運搬時間2時間くらいまでなら問題ない
また次の飼育の記事に細かい理由を書きますが、飼育が始めての場合、魚は1,2匹以上持ち帰らない方がいいです。
飼育初心者が一番ミスしやすいのが魚を沢山持ち帰る事になります。
沢山持ち帰りたい気持ちは分かりますが、厳選2匹、あるいは厳選1匹を選び持ち帰りましょう!
さいごに
魚の運搬は、魚の飼育で一番最初にやる工程でありながら、かなり難易度の高い工程になります。
ですので家に帰ったら魚が死んでいたという事も私も少なくありません。
これにはコツや経験則なども関わってくるので頭でわかっていても上手くできない事があります。
上手く持ち帰る事ができなかった場合は、どこがダメだったか分析し次につなげて下さい。
魚の飼育でご質問等がございましたら、ご対応いたしますのでコメント欄でご質問ください。
楽しい飼育魚生活を始めてみましょう!
アジが入っているバケツは、画像が船釣りなので適切ではない。
(そもそも船上ではスカリは使えない。ボートならできる。仕立船の魚を飼育できないわけではない。)
酸素を出す石は取説を読むと、海水使用不可のものが多い。
(このパッケージのものは問題ないが、別のものもある。)
スカリは魚を多く入れると、ストレスに弱い魚はすぐ☆になる。
(ストレスに弱い魚は釣りバケツに隔離が良い。)
親切に教える気があるなら、このくらいは書いたほうがいいです。
特に飼えない魚についても記述したほうがいいです。
(回遊魚の飼育はほぼ不可能、魚食性の魚も注意。など)
こういう少し何かをかじってる人って自分と違う意見があったりしたらすぐ他の人を見下してダメ出しとかするよね、見苦しい。