アイナメをもっと知ろう!釣り人のためのアイナメ生態学

釣りにおいて「生態学は大事!」

50cm級のドでかいアイナメを岸から狙えるシーズン「スポーニングシーズン」に差し掛かってきました!

大きいアイナメを釣るにはキャスト精度やワームアプローチ精度を磨くだけでは中々釣る事ができません。

上級者になればなるほど重要になってくるスキルが「魚の生態・行動パターンの知識」となります。

100%狙ったところにキャストするスキルがあっても、今の時期にどこに魚が居るか分からないと、魚を釣る事ができません。

 

ここではアイナメの一般知識からちょっとマニアックな産卵期のアイナメの生態話をご紹介します!

 

アイナメの仲間は北の地方に多い

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アイナメ類はソイやカジカと同じカサゴ目の仲間で、本州に分布するクジメとアイナメを除くと、ほとんどの種が北海道より北の海にするそうです。

アイナメ科の魚は冷水を好む一族のため、南日本より北日本の方が魚影が濃く、大型になります。

一方、アイナメ科のクジメのみ温暖な地域に魚影が濃くなります。   何故??笑

 

北海道などでは60オーバーが出ています。

ハンター塩津さんが60オーバーのアイナメを釣り上げていました!

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画像引用:ハンター塩津釣りブログより

アイナメは岩礁帯が大好きで、定着性が強いです。

また浮き袋が発達していないため、水中に浮いている事ができず、また水平に漂うのも苦手となります。

そのため泳ぐときはロケットのように発射し放物線を描くように落ちて(泳いで)行きます。

 

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画像引用:弘前デジカメダイバーブログ

餌を求める時に回遊したり、住処を変えたりするさいに泳ぎます。

基本は根の周りでジッとしているか、ウサギのようにピョンピョン跳ねて移動したりします。

 

アイナメの生息域

回遊:アイナメには居つき個体と回遊個体がいる

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アイナメには大きく分けて2種類のパターンがあります。

1)居つき個体

2)回遊個体

 

まず「居つき個体」とは言葉の通り、ある一定の所に棲家(拠点)があり、餌を捕食する時以外は。その住処に戻ってきます。

例外もありますが、環境変化に強い個体やベイトが常に居るエリアなどには居つき個体がいます。

居つき個体は季節に関係なくシャローエリアやミドルエリアなどに棲家を持ち潜んでいるため、年中狙えるアイナメといえます。

また居つき個体の方が回遊個体よりも縄張り意識が強い個体が多いです。

 

次に「回遊個体」こちらは基本的に環境変化に弱い個体に多い傾向で、水温変化や環境変化があると変化の小さいエリアに移動する個体です。

具体的には大きな水温変化や塩分濃度が変化する事で魚の体が変化に対応するのが厳しく、変化の小さい深場などに移動します。

一度深場などに移動するとシャローやミドルエリアが安定するまでシャローに戻ってこないため、中々釣るのが難しい種類になります。

しかし回遊といってもロックフィッシュの回遊はサバやアジなどの回遊魚ほど大規模な回遊はしません。

 

生息域で体色が変わる

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アイナメは着き場の底質や水深による体色変化が激しく、黒、白、茶、赤、黄とカメレオンばりに保護色を駆使して変わります。

またオスは産卵期になると金色になります。一説によると縄張り意識が強い個体ほど発色が良いそうです。

 

上の2枚の写真で左側の個体は体色が白いです。

これは居つき個体の場合、白い石の周りに居るため、その周りに体色を合わせるために、白い色に体色が変化していると考えられます。

一方で回遊個体の場合は、ここ最近まではディープエリアに居て最近シャローに上がって来たばかりで日焼けしていないため体色が白いとも考えられます。

 

一方右側の個体は真っ黒い体色をしています。

これも居つきの個体の場合は黒い岩の周りや黒い海草周りにいるため保護色で黒い体色をしているのか、回遊個体の場合は、シャローエリアに居る期間が長く、日焼けしたために黒くなったとも考えられます。

 

一匹釣っただけでは傾向は掴めませんが、やたら黒色のアイナメが沢山釣れたなら、シャローにアイナメが長い期間ステイしていると考察でき、シャローエリアにアイナメの群がさしている可能性があると考えられます(例外もあります)

また白色の体色のアイナメが釣れたら、ここ最近ディープエリアからアイナメが上がってきているのかもしれないと考察でき、ディープエリアとシャローエリアが隣接しているエリアにアイナメが溜まっている可能性があるとも考察できます。

 

何気なく釣った1匹のアイナメもよーく体色を見れば、そこからアイナメの状況を読み解くヒントになるかもしれませんね。

 

アイナメの産卵習性

産卵の仕方

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画像引用:フィールドガイド5

アイナメは産卵期になると、生殖可能なオスとメスが産卵場所の海域に集結し、相手を変えながら何回も産卵します。

産卵はまず、オスが産卵に適した岩に縄張りを持つところから始まります。

 

オスは体色を金色に発色し、この体色でメスにアピールします。

オスは1回メスに卵を産ませた後、再び求愛して新しい相手を産卵に誘います。

 

メスもまた1回産卵した後に、何回も抱卵して産卵できます。

この多回産卵により、オスの縄張りにはいろんなメスの卵が産み付けられます。

卵は生まれるまでオスが守ります。

 

稚魚が生まれると、オスは産卵巣から離れていきます。

 

産卵行動中によくある事件

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オスの守っている卵を食うのは、他の生物だけではなく、産卵に来たメスが卵を食べてしまう事も結構あります。

また産卵は一般的にはペアリングというオスとメスがペアを組んで産卵しますが、産卵のタイミングに合わせて、縄張りを持てなかった複数のオスが乱入するケースもあります。

それだけアイナメの産卵は厳しい環境下で行われています。

 

さいごに

アイナメに限らず魚の行動パターンや生態は釣りにおいて重要になります。

魚の生態はなかなか勉強する事ができなかったり、魚の生態も日々変化しており、把握するのは難しいですが、

釣りをして魚を釣る事で生態を把握できるようになってくると思います。

 

私もそこまで生態に詳しいわけでもないので日々勉強です。

キャストをする前に、どこに魚が居るのか仮定しそれで釣れれば、それが経験・知識として培っていくと思います。

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

岩手県一関市出身。 秋田・岩手をメインに釣りをやっています。ロックフィッシング・シーバスフィッシング・バス釣りをやっています。 釣りの他に釣魚の飼育・アクアリウムも20年ほどやっています。 釣りや魚の飼育方法について主に記事を書いています。