はじめに
現在1月
水温もどんどん下がり、東北の水温も10度前後まで落ちてきました。

またこの時期は冬の気圧配置の関係等で強風が吹いたり、
また波が高く海が荒れる事がよくあります。
海が荒れた次の日などは魚種によったり、環境によって例外は生じますが、
基本的にはロックフィッシュは釣れなくなります。
それは海が荒れたことにより、海の中の環境変化が生じ、
その環境変化に慣れるまで魚が動かなくなったり、活性が低くなるからだと
一因として考えられます。
では、なぜ環境変化が生じると魚は動かなくなるのか、
なぜ活性が下がるのか
今回は「飼育学」目線からの観点で考察していきたいと思います。
特に今からの時期に影響がでそうな要因を2つテーマに挙げてご紹介いたします。
環境変化で魚に影響を与える要因

環境変化により魚の活性が大きくさがる要因はいくつかありますが、
その中で影響力の大きい要因を紹介します。
水温

水温が1℃変わると気温では約3~5℃の変化に相当すると言われています。
つまり、恒温動物である人類でも、
前日と比べて気温が5℃も変わると体調を崩してしまったり、日常の行動にも変化が起きてしまいます。
まして、変温動物の魚類においては水温変化に対してはより一層敏感になります。
変温動物や魚種によって個体差があり一概には言い切れませんが、
その温度に順応するまでに数日かかると言われています。
そのため釣りをする上で大切なのは、その日の水温が高いか低いかと言うよりも、
前後数日間いかに安定しているかと言うことです
(特に渋い時期(真冬や真夏など))
魚の種類にもよりますが、約0.5℃の前後であれば魚に対する影響は少ないです。
但し、いくら安定していると言っても水温が高すぎたり低すぎたりすると摂餌行動は一気に落ちますし、
場合によっては仮死状態に陥ったりします。
以上の事から水温変化は釣りにおいて重要なファクターになります。
塩分濃度

塩分濃度とは簡単に言えば、「海水の塩分の濃さ」を示します。
一般的に地球の7割を占めている海水の塩分濃度が大幅に変化する自然現象というのは中々起きないのですが、
そのため塩分濃度変化に対応できる魚は少なく(主に汽水域で生息している生物は順応能力は高いです)
塩分濃度が変化すると魚は水温変化以上に活性が低下します。
まず塩分濃度が変化する自然現象としてあげられるのが
①台風
②大雨
になります。
ようするに大量の水が海に入ることで塩分濃度が変化します。
雨の場合は塩分濃度が変化してくるのは水面から徐々に変化していくので、
海底にいるロックフィッシュに影響がおよぶのにはタイムロスがありますが、
シャローエリア帯は環境変化が早く、
また水面付近にいたベイトやプランクトンなども散ってしまうという間接的な影響を与える事があります。
塩分濃度が変化すると魚の体にも大きな影響がでます。

うちで飼育しているアイナメやマゾイ、
ムラソイなどは水槽掃除をした後は水槽の底に移動し、
一気に動かなくなったり、エラの呼吸回数が通常より増えたりします。
水槽掃除をすることで掃除前の海水条件(海水温・塩分濃度)が変わるからです。
そして環境が変わった事で必死に体内と体外の塩分濃度を循環させて均一にさる行動をしているのです。
具体的には浸透圧の変化に対するエネルギーを使っているため、
そこに集中するために動かなくなったり、
餌を食べなくなります。
イメージでいうと産卵中の魚みたいな感じになります。
塩分濃度の変化が大きいと魚も死ぬ時があるので、
命に関わる状況下にあるので、
そのような時に餌を食べようと魚は思いません。
むしろ餌を食べる余裕が無い状態と言えます。
自分の体調管理に必死になっているといえます。
近年の研究で「浸透圧にエネルギーを使いすぎると魚の成長を阻害する」という研究結果も大学で発表されており、
それだけ浸透圧は魚にとって大きなストレスになっているというデータが出ています。
さいごに
以上のような要因が自然界で言うところの「環境変化による魚の活性低下」に近い状況といえます
(※あえて近いという表現をしたのは一概には言えないからです)
さいごに自然界のシチュエーションとは違いますが、
うちの水槽内での環境変化(水温変化・塩分濃度変化)が起きたときの魚の変化の動画を
youtubeにアップしたので、興味がありましたら是非みてみてください。
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