はじめに
5月上旬~6月水温が15℃を超えるようになってくると、いよいよロックフィッシュ初夏ハイシーズンに突入します。
水温が安定して15℃を下回らなければ、アイナメはドンドンシャローにさしてきます。
7月上旬くらいまでシャローにアイナメが入り込み釣りやすい時期となります。
今回の記事はそんな「晩春から初夏のハイシーズンアイナメパターン」をご紹介します。
初夏ハイシーズンアイナメパターン
この季節のアイナメの動きとしては、大きく分けると3パターンに分類することができます。ここではその3パターンをご紹介します。
パターン1: 居つき個体タイプ
この「居つき個体タイプ」は冬の時期や春先もディープエリアに移動せず、シャローエリアやミドルエリアで活動していたタイプです。
そのためシャローの水温に体が慣れているため、早い時期からシャロー帯で餌を活発に追いかけるタイプになります。
ハイシーズン初期で釣れるのがこのタイプになります。
しかしこのタイプは単体で行動しているタイプなので、連発で釣れる事はあまりありません。
他のタイプのアイナメよりも早い段階でシャロー帯に入っているため、海草が密集するエリアやベイトが多くたまるエリアなど1級ポイントに居る事が多いです。
そのため捕食している餌は主に「カニ・エビ・ハゼ類」を捕食している傾向が強いので、狙うときはホッグ系ルアーやハゼ系のルアーを海草帯に攻める形が有望になります。
海が荒れてもディープに避難するのではなく、強い波をシャットアウトできるエリアなどに避難するので、海が落ち着くと、すぐにシャローエリアに戻ってきます。
[su_note radius=”0″]【居つき個体パターン特徴】- シーズン初期から釣れる
- 大型個体が多い
- 海草エリアや潮通しが良いエリアの1級ポイントに居る事が多い
- 群れで動いていないので、連発で釣れる事はあまりない
タイプ2: ディープ越冬個体
このタイプがこの時期に一番多いタイプとなります。
冬に水温が下がり、水温が安定したディープエリアに移動し、水温が15℃になり、シャローに移動してきます。
しかしディープエリアに冬~春と長い期間いたため、「居つき個体」と異なり、シャローエリアの水温に慣れていない個体が多いため、すぐにシャローエリアには入らず、離島周りや沖磯などシャローの近くのミドルエリアで体をシャローに慣らす準備に入ります。
そしてシャロー帯の水温に体が慣れてきたところで、シャローに入ってきます。
またこのタイプは、シャローの水温が気温変化や時化で急変したときは、すぐにディープエリアに逃げ込む傾向があるため、このタイプのアイナメはシャローエリアとディープエリアが隣接しているエリアに陣取ります。
このタイプは主に小型~中型個体がメインになります。
餌はシーズン初期はゴカイ類などの虫系を捕食し、シーズン後半なるとカニ類などの甲殻類を捕食する傾向が強くなります。
[su_note radius=”0″]【ディープ越冬個体パターン特徴】- この時期に一番多いタイプ
- 群で行動しているものが多い
- 水温が低下するとディープへ避難する
- シャローとディープが隣接するエリアに居る事が多い
タイプ3: ベイトフィッシュパターン
水温が15℃を超えてくると海の中には沢山の生き物が現れます。
中でもイワシ・ウミタナゴ・コウナゴなどの群れが見られるようになります。
この時期になるとアイナメは普段食べている甲殻類からフィッシュベイトを食べるようになってきます。
このタイプはベイトが多いエリアに陣取るようになります。
そのため、そのエリアからベイトが居なくなるとアイナメも居なくなります。
[su_note radius=”0″]【ベイトフィッシュパターン特徴】- ベイトの動きに合わせて棲家を移動する
- 甲殻類より魚類をよく捕食する傾向が強い
- ベイトがいないエリアには居ない
晩春・初夏アイナメの動き方
下の図に上で説明した晩春から初夏のアイナメの動きを説明します。
この時期に見るポイントは「ディープエリアとミドルエリアの境目にある沖根」・「ミドル沖根エリア」・「海草エリア」になります。
(※下図は上からみた図になります)
タイプ①
まずタイプ①居つき個体の動きについて説明します。
居つきパターンの行動範囲は基本的に「ミドルエリア~シャローエリア」となります。
水温が12℃近辺、シーズン初期に釣りに行く場合、まず狙うべきポイントはミドルエリア。
ミドルエリアでアタリが無い場合はシャローエリアの1級ポイントや海草帯を狙ってみましょう。
全体的に居つき個体はサイズは大きいですが、数は少ないので釣り上げるのは大変かもしれません。
ミドルでもシャローでも1級ポイントを探して狙ってみましょう。
タイプ②
越冬タイプの一連の流れは以下のようになります。
越冬個体は基本的に環境変化に弱いタイプが多いため、水温変化や塩分濃度などが急激に変化すると、その環境変化に耐え切れず、
環境変化の小さいディープエリアまで避難します。
ですので、このタイプを釣る要素としては環境変化があまり無いタイミングでシャローエリアをメインに攻めてみましょう。
タイプ③
ベイトフィッシュパターンは基本的にタイプ①、タイプ②が大量のフィッシュベイトが接岸した時におきるパターンです。
つまりポイントによって釣れるのではなく、ベイトがいる場所で釣れる様になります。
ベイトが接岸するエリアは「溶存酸素量が多い」・「プランクトンやエビ類などフィッシュベイトが豊富にいるところ」・「半島の先端のブレイクライン」などになります。
初夏アイナメが釣れる要素
①水温
上で述べたように、この時期は水温が重要になってきます。
海水温が12℃~15℃に達するとシーズンスタートになります。
シーズン初期はタイプ①居つき個体がメインになり、水温が15℃近辺を安定するようになると、タイプ②の越冬タイプも釣れだします。
このタイミングからハイシーズンがスタートします。
そして徐々に海の中にベイトフィッシュが増えてきてタイプ③の傾向が強くなっていきます。
②海草が多いエリア
これは春先の要素と同じになります。
海草が多いエリアはカニが多いだけでなく、ロックフィッシュにとっても良い条件となります。
海草は主に「ホンダワラ」・「昆布」となります。
カニ類の他にエビや小魚・ハゼなど色々なベイトも身を潜んでいます。
海草が多く茂っているエリアは日照時間も長く、水温が高いエリアが多いため、海草が多いエリアは大型個体が多いタイプ①が居つきやすいポイントとなります。
③ベイト
この時期はタイプ③のベイトフィッシュパターンが発生する時期ですので、ベイトが居るエリアも重要になってきます。
色々な漁港や磯場を周った際にはベイトの有無も確認してみましょう。
春先のルアーアプローチパターン
次に晩春・初夏パターンのお勧めルアーとアプローチ方法をご紹介します。
晩春・初夏にお勧めルアー
フィッシュベイトが接岸するまでは、基本的に甲殻類をメインに捕食します。
そのためシーズン初期はパルスクローなどの甲殻類ルアーがお勧めになります。
そしてフィッシュベイトが接岸してきたら甲殻類ルアーの他に
フィッシュベイトに似せたルアーが有効になります。
パルスワームやグラスミノーなど(上記写真)がお勧めになります。
またこのフィッシュベイトの鱗のフラッシングなどもあるので、キラキラ光るワームやメタルジグなども有効になります。
攻めるポイント
攻めるポイントはシーズン初期や水温が不安定な時は、春先同様「超タイト」に攻めるのがお勧めです。
海草の中にぶっこむ位タイトに攻めることです。
シーズン最盛期はアイナメも果敢に餌を追いかけるので、逆に広い範囲を素早く攻めます。
海草帯でもシーズン初期のように中までブッコまず海草の入り口近辺をなぞるように攻めても、海草の中から出てきて、食ってきます。
ルアーアクション方法
この時期は「ベイトフィッシュ」を捕食するタイプと「甲殻類」を捕食するタイプがあります。
ベイトフィッシュを捕食するタイプを狙う場合のアクションは、基本的には高いリフト&フォール。
または高いリフト&カーブフォール・高いリフト&スイミングが有効になります。
極力フォール時間を長くするのが重要になりますので、普段使用しているシンカーより少し軽いものを使用したり、ジグヘッドリグを使ってみたりするといいかもしれません。
この初夏パターンは水温変化やベイトの動きに左右されるタイミングでもあるので、ディープ・ミドル・シャローと全ての水深が混在するようなエリアを選択すると良いと思われます。
この他にもアイナメのシーズナルパターンについて記載した記事のURLを紹介します。
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